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釧路地方裁判所 昭和58年(行ウ)2号 判決

網走市駒場八七番地

原告

野田明

右訴訟代理人弁護士

山本隼雄

大井相石

網走市南六条東五丁目九番地

被告

網走税務署長

若林正夫

右指定代理人

菅原崇

本間勝弘

竹田博捕

細川博毅

秋田谷忠之

漆崎量

溝田幸一

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  請求の趣旨

1  被告が原告に対し昭和五六年七月九日付けでした原告の昭和五一年分の所得税についての更正処分のうち、総所得金額二四二万四一〇円、納付すべき税額一九万円を越える部分及び重加算税の賦課決定をいずれも取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告は昭和五一年分所得について、同五二年三月一五日総所得金額二一二万五、六二〇円(長期譲渡所得金額は〇円)とする確定申告を、同年八月二七日総所得金額二四二万四一〇円(長期譲渡所得金額は二九万四、七九〇円)とする修正申告をそれぞれ行ったところ、被告は同五六年七月九日右総所得金額を一、四五八万五、二六六円(長期譲渡所得金額は一、二四五万九、六四六円)納付すべき税額を二六二万三、〇〇〇円とする旨の更正処分(以下、本件更正処分という。)及び七二万九、九〇〇円の重加算税賦課決定(以下、本件重加算税賦課決定という。)を行った。

2  原告はこれに対し昭和五六年九月一〇日被告に異議を申し立てたところ、被告は同年一二月七日付けで異議を棄却する旨の決定をした。

3  原告は昭和五七年一月八日国税不服審判所長に審査請求したが、同所長は同年一二月七日付けで右請求を棄却する旨の裁決をし、同月二九日原告に通知された。

4  ところで、原告の昭和五一年分の総所得金額は二四二万四一〇円であり、被告の本件更正処分中右金額を越える部分は、原告の所得のうち長期譲渡所得について租税特別措置法三七条一項の適用があるのにこれを適用せず認定したもので違法である。

また、本件重加算税賦課決定は、右過大に認定した金額を前提とする点、及び原告において所得税額等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺい、仮装した事実がないのに賦課された点においても違法である。

5  よって原告は被告に対し本件更正処分及び本件重加算税賦課決定の各取消を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1ないし3の事実はすべて認める。

2  同4は争う。

三  抗弁

1  譲渡所得の発生

(一) 原告は、昭和五一年四月二八日網走市駒場南八丁目八八番二(当時の所在地番は同市字駒場八八番二)の畑四万四、三一〇平方メートル(以下、本件土地という。)を株式会社フジサワに代金九、八三一万五、〇〇〇円で売却した。

(二) 本件土地の譲渡所得については、租税特別措置法(以下、措置法という。)三一条を適用して、長期譲渡所得として一、二四五万九、六四六円を昭和五一年分の所得金額二一二万五、六二〇円に加算して合計金額一、四五八万五、二六六円について課税標準として所得税を計算すると、納付すべき税額は二六二万三、〇〇〇円となる。

(三) なお、原告は本件土地の売却につき、措置法三七条一項に規定する「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」(以下、事業用資産の買換えの特例という。)の適用を受ける「買換資産」を取得し事業の用に供している。すなわち、「買換資産」として昭和五二年三月一四日道東地方環境整備興発株式会社(以下、道東興発という。)から別紙の大型自動車四台(以下、本件自動車という。)を一、三〇〇万円で、同年一月一〇日網走観光株式会社(以下、網走観光という。)から同社所有の建物、建物付属設備、什器備品、車両運搬具(以下、本件建物等という。)を八、五〇〇万円で(合計九、八〇〇万円)、それぞれ購入した旨主張する。

しかし、買換えの特例の適用を受けるためには、措置法三七条一項に規定するところの実質的、及び手続的要件に合致するのみならず、「買換資産」は原告の資産を譲渡した日の属する昭和五一年の一二月三一日までに取得していなければならい。もっとも右期限内に「買換資産」を取得できない場合(原告の主張する「買換資産」の購入日は右のとおり、昭和五二年である)であっても、税務署長の承認を受けた場合には右期限後に取得した資産であっても買換えの特例が適用される場合がある(措置法三七条四項、租税特別措置法施行令二五条一七項、租税特別措置法施行規則一八条の四、二項)が、原告は本件土地の売却について右のような承認を受けていない。

2  重加算税賦課については次のとおりである。

(一) 原告は本件自動車を買受けた旨の公正証書を作成したが、右売買は、原告において道東興発と通謀してあたかも事業用の「買換資産」として本件自動車等を取得したかの如く仮装したものである。原告はこれによって課税標準等の基礎となるべき事実を仮装、隠ぺいし、仮装、隠ぺいした事実に基づき確定申告書を提出したのである。

(二) 右(一)の仮装、隠ぺい行為に基づく重加算税額を国税通則法六八条一項の規定により計算すると、七二万九、九〇〇円となる。

三  抗弁に対する認否

1(一)  抗弁1(一)の事実を認める。

(二)  同1(二)のうち、長期譲渡所得金額、右譲渡金額の存在を前提とする総所得金額及び算出額を否認し、その余の事実は認める。

(三)  同1(三)のうち、原告が本件土地の売却について措置法三七条一項に規定する「事業用資産の買換えの特例」の適用を主張していることは認めるが、被告の主張については争う。

本件更正処分の理由は、被告の本件訴訟における当初の主張、昭和五六年一二月七日付け異議決定書、同五七年一二月二〇日付け審査裁決書によって明白であるように、原告が昭和五二年三月一四日に「買換資産」として道東興発より本件自動車を購入したことが、買換えの特例の適用を受けるために仮装された架空の契約であるということであった。ところで、租税訴訟の前提となる被告の処分は行政処分であるから、それによって、権利、利益を侵害される国民に対し、手続的保障の見地から不服申立てに便宜を与えるために、処分の理由が明らかにされなければならないものである。したがって、租税訴訟の審理の対象は処分理由との関係における税額算定の適否であり、被告が処分時の認定理由に拘束されることなく新たな事実を追加し、あるいは交換することによって処分理由を差し替えることは、原告の手続的利益を不当に害するものであって許されない。よって被告が本訴において措置法を適用するための手続的要件が欠けていることを本件更正処分を維持するための理由として追加することは許されない。

また原告が国税不服審判所長に対して行った審査請求に対する裁決においても、その処分理由は前記のとおり本件自動車の売買が仮装なので原告の主張は認められないというのであるから、本件訴訟において、右裁決の付記理由と異なる理由を被告が追加的に主張することは認められるべきではない。

原告は、税法知識に乏しいため、被告職員金泉吉明に聞き質したり、網走農民同盟書記坂野弘(以下、坂野という。)を通じて北見税務署の税務相談の指導を求めていたものであるが、その時期が昭和五二年三月で、既に措置法の適用時期を過ぎていたにもかかわらず、被告職員らからはその旨の指摘は全くなく、また、申告後の被告の調査においても、本件自動車の取得時期が適用要件に合致していないと指摘されたことはなく、かえって、本件自動車の取得が真実でありさえすれば、措置法三七条一項の適用があると明言されていたのである。したがって、税務署の税務相談の果たしている重要性に鑑みるると、被告らの誤った指導内容を不問に付し、過失なく被告らの指導にしたがった原告に対して、不服審査のどの段階においても問題とされていなかった取得時期の要件欠如を本訴で新たに主張し、処分理由を追加して補強することは、信義則(禁反言)上許されず、右経緯に照らせば、本件の「買換資産」の取得時期については、被告は黙示的に「承認」(措置法三七条四項)を与えてきたものと解すべきである。

2  抗弁2(一)のうち、本件自動車を買受けるについて公正証書が作成されていることは認めるが、その余の事実及び同(二)の事実はいずれも否認する。

第三証拠

当事者双方の提出した証拠は、本件記録の書証及び証人等各目録記載のとおりであるからこれを引用する。

理由

一  請求原因1ないし3の事実及び抗弁1(一)の事実については当事者間に争いがなく、同(二)の事実中、昭和五一年分の所得金額が二一二万五、六二〇円であること、本件土地の売却によって譲渡所得が発生していることについて、原告が明らかに争っていないから、これを自白したものとみなす。

二  原告は右譲渡所得につき、「買換資産」として昭和五二年三月一四日道東興産から本件自動車を代金一、三〇〇万円で、同年一月一〇日網走観光から本件建物等を代金八、五〇〇万円でそれぞれ購入したので、買換えの特例(措置法三七条一項表一四号)が適用される旨主張する。

しかしながら、買換えの特例の適用を受けるためには、本件土地を譲渡した昭和五一年四月二八日からその年の一二月三一日までに「買換資産」を取得する(措置法三七条一項)か、あるいは右譲渡した翌年中において「買換資産」を取得する見込みであり、かつ当該取得の日から一年以内に事業の用に供する見込みである場合には大蔵省令で定めるところにより税務署長の承認を受けることが要件となる(措置法三七条四項)ところ、原告の主張する「買換資産」の取得日は、いずれも昭和五二年であるから、原告住所地を管轄する網走税務署長の承認を受けておくことが必要であった(租税特別措置法施行令二五条一七項、租税特別措置法施行規則一八条の四、二項)にもかかわらず、証拠上右承認を受けていたとは認められないので買換えの特例が適用されないこと明らかで、これを前提とする原告の主張は失当である。

右の点につき、原告は、被告が本件更正処分に対する異議、及び審査手続の過程において主張していた買換えの特例が適用にならないことの理由が原告と道東興発との間の本件自動車の売買契約が実体のない仮装であることであったにもかかわらず、本件訴訟において、これと異なる手続的要件の欠けていることを買換えの特例の適用がない理由として差し替えるのは、原告の手続的利益を不当に害することになって許されない旨主張する。ところで、課税処分取消訴訟における審理の対象は処分の違法性一般であり、課税によって確定された税額が租税実体法によって定まっている客観的な課税標準等又は税額等の範囲内でなされたか否かを判断するものであるから、右税額算出の根拠となる事実は単なる攻撃防御方法にすぎず、税務署長は、課税処分の適法性を維持するため、処分時の認定理由に拘束されることなく、訴訟の段階で、その後新たに発見した事実を追加的に差し替えたり、交換的に差し替えることによって、処分理由を口頭弁論終結に至るまで随時差し替えることができると解すべきである。なお、本件のように、所得税の白色申告書に係る更正処分をする場合には、その通知書には更正の理由を附記すべきことが要求されていないが、更正処分についての異議申立てについての異議決定、審査請求についての審査裁決ではそれぞれ理由が附記されることになっているところ、(国税通則法八四条四項・五項、一〇一条一項)、本件訴訟において、被告は、異議決定、審査裁決で附記された理由と異なる理由を新たに追加しているものではあるが、右の理由附記の規定は、処分庁、裁決庁の判断の慎重・公正を期し、その恣意を抑制すると共に、裁決の理由を明示することによって納税者に原処分に対する取消訴訟の提起に関して判断資料を与えるという趣旨で設けられたにとどまり、当該附記理由以外の理由によって原処分が維持されることがないということを納税者に対して保障し、処分理由の差し替えを訴訟上制限することまでをも意味するものとは解されないので、右規定が存在することは、処分理由の差し替えを認めることの妨げにはならないというべきである。

したがって、原告の右主張も失当である。

さらに、原告は、「買換資産」の取得については、被告主催の税務相談等による被告職員の指導に従って行ったことである旨主張するけれど、これを認めるに足りる証拠はないから被告が原告の「買換資産」の取得時期について黙示的に「承認」(措置法三七条四項)を与えたものと解すべきである旨の主張は、その前提を欠くことになり、失当であることが明らかである。

以上によると、原告の長期譲渡所得金額は被告主張のとおり一、二四五万九、六四六円であると認められるから、原告の納付すべき税額は二六二万三、〇〇〇円となることが認められる。

したがって、被告の本件更正処分には違法の点はなく、その取消しを求める請求は理由がない。

三  次に重加算税賦課決定について検討する。

前判示のとおり本件土地の売却による原告の昭和五一年度分の長期譲渡所得は一、二四五万九、六四六円であるが、原告はこれを二九万四、七九〇円と過少に申告していたものである。

過少申告の理由は、原告が事業用資産の買換えの特例の適用を受けるために、「買換資産」を取得したことにあるのは主張から明らかなところであるが、「買換資産」のうち道東興発から買い受けた本件自動車については、証拠上、原告においてこれを売買によって取得していたという事実は認め難く、仮装のものであったと認定するのが相当である。

すなわち、成立に争いのない乙第一、二号証、同第一〇号証、同第一六号証の一ないし七、同第二二号証、原本の存在及び成立につき争いのない甲第一号証、同第二、三号証(但し後記措信できない供述記載を除く)、乙第五、七号証の各二、三、同第九号証、同第一一号証、同第一三号証の二、七、一二及び一八の各1、2、同第一三号証の三ないし六、八ないし一一、一三ないし一七及び一九ないし二六、同第一四、一五号証、原本の存在については争いがなく、その成立についてはその方式及び趣旨により公務員である国税審査官が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第一七、一八号証、成立についてはその方式及び趣旨により公務員である大蔵事務官が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第一九、二〇号証、甲第一号証中の供述記載により成立の認められる乙第二一号証、証人佐々木朝司郎の証言、原告本人尋問の結果(但し後記措信しない部分は除く)並びに前記争いのない事実を総合すれば、原告は、同人が経営していた網走観光株式会社(以下、網走観光という。)の累積していた債務の返済資金を捻出するために、本件土地を株式会社フヂサワに対し代金九、八三一万五、〇〇〇円で売却したこと、野田は右売却によって得た譲渡所得に課税されるのを避けるため、買換えの特例の適用を受けることを意図し、「買換資産」(措置法三七条)として網走観光から本件建物等を購入することを決めるとともに、農民同盟の坂野を通じて以前から面識のあった行政書士の嵯峨井の紹介を受け、同人に対し、網走観光の昭和五一事業年度の確定申告書及び本件建物等につきその内容を個々具体的に評価して記載した一覧表の作成を依頼したこと、原告は昭和五二年三月一三日に嵯峨井に電話で本件土地売却代金九、八〇〇万円と、前日原告と坂野、嵯峨井で協議して決めた本件建物等の買受け代金八、五〇〇万円との差額約一、三〇〇万円がこのままでは課税対象となるので、これを更に「買換資産」として購入する運送車両の代金の支払に充てたいので、適当な人を探して欲しい旨頼んだことから、嵯峨井は心当たりの関係者に連絡をとったが適当な車の所有者が見つからなかったので、原告に対し、嵯峨井が取締役でもある道東興発の車両を「買換資産」にすることを提案したこと、原告は右提案に応じて同一三日の夜に嵯峨井と共に道東興発の代表者である笹谷庄一郎(以下、笹谷という。)を訪ね、その際嵯峨井が笹谷に対し、「原告が土地を売却したが、その代りに車を購入すれば税金を払わなくて済むので、書類上道東興発の車両を原告に売ったことにしたい。ついては網走信用組合から道東興発が三〇〇万円ないし五〇〇万円借りることができるように原告が口添えすることを条件にするので了承して欲しい旨」懇請したこと、笹谷は当初消極的であったが、当時道東興発は資金的に苦しい時期であり、原告が網走信用組合に道東興発への融資を働きかけることを約束したので、笹谷は右約束と引換えに仮装の車両売買を行うことに同意し、道東興発所有の車両四台を野田に売渡す旨の同月一四日付け自動車売買契約公正証書と右車両のうち三台を道東興発が原告から賃借する旨の同年四月一一日付け自動車賃貸借契約公正証書を作成したこと、しかして、原告は、同月四日右売買代金の支払を仮装するために笹谷と共に網走信用組合に赴き、原告、妻の野田ハチエ名義の定期預金と通知預金を解約して、右売買代金一、三〇〇万円に相当する道東興発名義の定期預金(金三一〇万円、金二〇〇万円、金三一〇万円、金四八〇万円の合計四口)を設定したこと、以上の事実がそれぞれ認められる。

原告本人尋問の結果及び甲第二、三号証記載の原告本人の供述中には、道東興発と原告との間で締結された車両の売買及び賃貸借契約は真実の契約であって、網走信用組合に設定された道東興発名義の定期預金は原告が同社に支払った右売買の代金である旨の供述部分があるが、前掲各証拠によれば、売買契約の公正証書が作成された昭和五二年三月一四日において、売買の対象となった車四台のうち、別紙番号〈1〉の車については笹谷の所有名義であり、同〈2〉ないし〈4〉の車については東北海道イスズ自動車株式会社の所有名義であったところ、同〈1〉の車は昭和五五年四月二日株式会社伊達浄化センターに所有名義が変更登録され、結局いずれの車についても原告の所有名義に登録されたことはないこと、道東興発は右四台の車につき、原告との右売買契約の公正証書を作成した後も依然として会計帳簿上では同社の固定資産として記載(但し同〈1〉の車については、株式会社伊達浄化センターへ譲渡されるまで)していたこと、原告が道東興発名義で設定した合計一、三〇〇万円の定期預金証書の裏面及び自動継続定期預金元帳カードには「野田明」の印鑑が押捺され、道東興発単独では払戻しができないようにされており、少なくとも昭和五二年一〇月以降は原告が右定期預金証書を担保として昭和五四年一月三一日と、同年二月一三日にそれぞれ一〇〇万の貸付けを受けていること、右定期預金は、道東興発と原告との間で作成した前記三台の車についての賃貸借契約の公正証書記載の賃貸借の終了日である昭和五七年三月三一日より以前の昭和五五年五月二一日までに、利息を含めてすべて解約され、網走観光、原告及びその家族名義の預金に変えられていたこと等の事実が認められ、右事実に照らせば、前記供述部分は採用することができない。

以上によれば、原告は、「買換資産」として大型自動車等を取得したかの如く仮装するために道東興発と通じて架空の売買を行ったのであるから、原告は、税額等の計算の基礎となるべき事実の一部を仮装し、右仮装した事実に基づき確定申告書を提示していたと認めることができるので重加算税賦課の要件に欠けるところはないというべきである。そうすると、重加算税は、原告が納付すべき税額二六二万三、〇〇〇円から、仮装されていない事実に基づく税額として、国税通則法施行令第二八条一項に基づき計算した金額一九万円を控除した二四三万三、〇〇〇円に一〇〇分の三〇の割合を乗じて計算した金額である七二万九、九〇〇円となる(国税通則法六八条一項)から、被告の本件重加算税賦課決定は適法である。

四  よって、原告の本件各請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 生野考司 裁判長裁判官畔桝正義、裁判官杉本正樹は、転補につきそれぞれ署名押印することができない。裁判官 生野考司)

別紙

〈省略〉

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